Tetsuya Machida Solo - Negative Capability - @
FLATFILESLASH
町田哲也 展 - ネガティブ・ケイパビリティ –
2015年3月28日〜5月10日 / 毎 土・日・祝日 午後1時〜5時
入館料¥500 / 作品・カタログ販売
於:フラットファイルスラッシュ_倉庫ギャラリー
*FFS倉庫ギャラリーの空間開発を兼ねている企画の為、ギャラリー空間は開発進捗に応じて変化する可能性があります。
*平日に観覧を希望する場合は、町田まで電話(080-5514-6063 HP)連絡して日時予約調整願います。
works list
立体作品 Steric works
板を割って dividing the plate
01 厨子王の衣 Clothing of Zushioh
02 鳥のように Like a bird
03 羽ばたきの後 After the flapping
04 獣の暦 Calendar of beast
05 穂 panicles
冬の屈み The crouched of winter
06 左手の甲を The left back of the hand
07 上か前 Above or before
08 星の刻み Increments of star
09 あなたの指として As your fingers
10 小さな落とし Small drop
11 穴の上 On top of the hole
12 滝登り Waterfall climbing
13 エッシャーの足下 Feet of Escher
14 T氏の聲 Voice of Mr. T
15 遊ぶ逆流 Play regurgitation
16 ピノキオの足 Foot of Pinocchio
気卓 PeP
17 34年門 '34 Gate
18 フラットファイルの角度 Angle of flat file / *非売
19 健やかな重力 Healthy gravity
20 右上へ To the upper right
21 ツイストの停止 Twist of stop
22 翡翠のうしろ Behind the jade / *非売
23 逃避置 put the escape
24 海空 Air-sea
25 顎上げ Chin up
26 天狗差し TENGU Game
27 湖から龍爪 Dragon Claw in the lake
28 二十歳 Twenty
囲出 Exits the enclosure
29 L
30 戯れの静止 Still of fun
31 雪崩 Avalanche
32 ノック Knock
33 眉間 Glabella
34 逆立ちの獣 Handstand of beast
35 左上と右下 Upper left and lower right
36 右へ To the right
37 箱の外 Outside the box
38 大気置 put the air
39 背後へ Behind
40 小便狗 Pee Puppy
41 走狗 Run Puppy
行方構 Whereabouts of Structure
42 羚羊の足音 Footsteps of antelope
43 羊棚 Shelf of Sheep
44 鹿の角へ To deer corner
45 崖の契機 Opportunity of cliff
46 風から From the wind
47 魂振り TAMABURI
48 双子座から From Gemini
49 カシオペアの記述 Description of Cassiopeia
50 掌受形 received at the palm
51 迷置 put in lost
52 籠に似せて To resemble the basket
53 指乗せ put the finger
54 制作中
55 制作中
平面作品 plane works
炭置
56 箍外し Unlock / sheet size 500 mm × 650 mm / 額装
57 枝川 branching river / sheet size 500 mm × 650 mm / 額装
58 千枝 Thousand branches / sheet size 500 mm × 650 mm< / 額装
59 粉枝 Branch of powder / sheet size 500 mm × 650 mm / 額装
60 改点 Change Point / sheet size 500 mm × 650 mm / 額装
61 韻痕 Traces of rhyme / sheet size 650 mm × 1000 mm / 額装
62 韻痕 枝石 040115 Traces of rhyme / sheet size 250 mm × 350 mm / 額装
63 韻痕 枝石 040115 2 Traces of rhyme / sheet size 250 mm × 350 mm / 額装
64 韻痕 枝石 040115 3 Traces of rhyme / sheet size 250 mm × 350 mm / 額装
65 韻痕 枝石 040115 4 Traces of rhyme / sheet size 250 mm × 350 mm / 額装
66 韻痕 枝箱 Traces of rhyme / sheet size 250 mm × 350 mm / 額装
67 韻痕 ト石空 Traces of rhyme / sheet size 250 mm × 350 mm / 額装
68 韻痕 ト九炭石 Traces of rhyme / sheet size 250 mm × 350 mm / 額装
69 韻痕 枝石 Traces of rhyme / sheet size 250 mm × 350 mm / 額装
70 制作中 / 韻痕 Traces of rhyme 2 / sheet size 650 mm × 1000 mm / 額装
71 制作中 / 韻痕 Traces of rhyme 3 / sheet size 650 mm × 1000 mm / 額装
72 制作中 / 韻痕 Traces of rhyme 4/ sheet size 650 mm × 1000 mm / 額装
73 制作中 / 韻痕 Traces of rhyme 5/ sheet size 650 mm × 1000 mm / 額装
インスタレーション installation works / *非売 / *All other installation works are not for sale
枝切置 Put cutting branches
枝石鹸置 Put branch soap
契約置 Contract location
nc2015solo-wlist.pdf >> (Tetsuya Machida Solo - Negative Capability - works price list) / *4/18更新
工業研磨用炭化ケイ素を使って「粒子」を置く仕事に明け暮れ、時に併置空間の意匠に関わり、またそれらの没頭から逃れるような歩行撮影を重ねていた90年代は、直情的な作品販売など考えずに自閉的に検証継続できるシステム下にあったから、世紀の変わり目に生活システムを変位させた時点でそれまでの継続から離れた。以降ほぼ10年間バーチュアルなシミュレーションを観念的に続けた。無論生計を成立させるためでもあり他にも紆余曲折の理由は都度あった。
311が契機となり、その年の夏にある種限定的な状況構築へ身を投じて、遊動の気質は遺したまま、残りの生を見極める時間を過ごしはじめて4年目を迎え、ひとしきりの慌ただしさが静まったところで自身の系、文脈を辿りつつ現在に率直に照らし合わせた形が、今回のこうした累々と反復蓄積される小品群の提示となった。持続可能な思考の仕草を、大袈裟なイベントとしてヒュージバケットを広げ提案するつもりは毛頭ない。年の半分を冬期として思索と制作に煩う繰り返しが可能なレヴェルで、倹しい常識的な作品価格設定を敢えておこない、作品販売を積極的に考えることにした。
立体物の組立てが先行したのは、おそらく想念で繰り返された時間の反動があり、ここ数年の辿りをそのまますすめて現実を手探りで求めた結果だろう。また、平面への取り組みも、様々な個人的な経験の知触感触を、一旦清潔に漂白させる姿勢が、今のところまだ勝っており、真に自由であるのかを問う揺らぎに任せ、平面に遠い何かを探す初心を憶いだすような手付きを、懐かしいような心地でみつめている。
思いかえせば4年前の「311」から一ヶ月後の春に、写真作品の「額装」から「棚」へ展開している。
042011 wall plan >>
計画のスケッチの累積が都度そのまま表出形態へ反映してきたわけだが、徐々に地に足を踏ん張って、というより、足に地が染みあがってきたような流れが確かにあった。計画スケッチをはじめた当初、まだ環境の刷新を考えていなかったが、某かの予感と自由を標榜するあまりの浮遊感があり幾分観念が先行し身体性を忘れ、それまでのほぼ十年に渡るシミュレーションの影響をそのまま引きずっていたのは、それで仕方ない。
空間のシミュレーションは云うなれば端末で容易に表出確認が可能なバーチュアルなプラクテスとも位置づけられた。世紀が変わったばかりのそうした時代の黎明期に仕事柄が重なって唯物的なアナログの触感から極端に離れていたことが、逆説的に磁力を目の前の世界の現実感へ引き戻す効果があったと今は考えられる。
wall plan から
passage plan を経て、
「棚」の解体を繰り返した累積が、揚句のような現在の「組立」へ繋がっている。
付記:90年代前半の立体併置、及び、90年代後半のフランク・ステラへのオマージュとして発想した「ステラン」という立体演習も、ここへ注がれている。
06,March,2015 /
pedestrian_thoughts
再びまた凝りもせずに自然に散乱している奔放な樹木の破片を場所につなぎ止め(=仮設する)たいとした、この季節の底辺には、「耳なし芳一」から「安寿と厨子王」へ辿ってみつめ続け変位した自らの生存環境の思索という流れがあり、同時に、この系へ注ぐようだった稚拙な言語化の反復で気づいた「身の丈」という表出のレヴェルを、実直なみえるかたちで探索する静止画像の撮影がこれを支えるようだった。
俯瞰した構造を再現するような構築作業を批判するには、俯瞰統合が成立しない「散乱」を扱わねばならなかったし近寄らねばいけなかった。有り金をはたいて価値を選ぶようなことも拒絶したい。つまり歩いて拾ったものが都合が良い。山の農夫が倹しい小屋にその季節限りの手作りの道具を誂えるような態度となり、その態度には時として厨子王の哀しみの静寂のようなことが降り、指先には芳一の拒絶が宿ったままの作業となった。
併置という概念には、状態への能動性と有様の観察視座という両義性があり、「置く」「置かれる」という言語の動詞的働きがある。こちらにしてみれば、動的に併置を行動化(名指す)する人間的恣意と、自然の偶然の状態が同時に進行している。
自然は散乱であり、これを容赦ない倫理として人間が勝手に受け止める時、私はこの「併置」を長い間ひとつの人間的仕草として、幼少の積み木遊びや泥弄りから繋がる系(癖)であると今更に自覚し、地震被害の後始末、年末大掃除などと、それこそ併置された出来事として、澄ました貌で取り組みたいと考えた。
一過的仮設の「併置」状況を作品と此処で示す時、脳裏に浮かんでいたのは此処ではない他所の国の丘陵の景であり、捲りはじめたのは仮託諧謔のあこくそ「土佐日記」だった。
時を同じくして大雪が降りつづき山の住処の界隈は至る所で、積雪の重みに負けた倒木が幹線を寸断し電線をも時折切断したようだった。倒れた倒木は自治体が駆けつけては撤去するので、倒れてしまえば置かれ所を喪失するのだと眺めていた。私の拾い集めた枝の併置表出と何かがどこかで似ていると作業中途で腰を伸ばしては路を遮って倒れる雄々しいような倒木に帰り道に出会いたいような妙な気分が膨れるのだった。
枝の自然(じねん)形態をみつめて、枝振りの先端を結局は剪定し、枝振りの途中を放棄することからはじめて、空間に置かれる場をこしらえる。おかしなもので枝は枝のまま生涯関係を持たないだろう場所で、無関係を誇りながら新しく人間の目に映るものへと変位していく。
22,December,2014 /
Outskirt of idea
追記 / 25/March.2015
単なる倉庫を展示空間に仕立てる為に、春の企画に乗じて床や壁を相応に準備するつもりだったが、制作が瀬戸際迄時間と肉体と精神を切迫し、そのような余裕がなくなった。会期を週末と祝日に限ったので、開催後の平日を利用し、仕立てを慌てた仮設とするより、展示空間の検証の時間を経て、慌てずに取り組むことにした。空間の仕立て次第で作品の有り様は随分変わるけれども、倉庫というゼロの状態に併置させる為の作品設置の工夫は幾つか試みている。そもそもホワイトキューブという無菌空間で純潔を示すという環境の成立を無視した指向に関心はあまりないので、場所の草臥れた空間そのものをトポスという場所性で問う、種植えのような作業は、作品自体の併置で示すことが、個人的には謙虚な態度と考えている。
棚からはじまっていた (6,March,2015 / pedestrian thoughts) >>
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